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スペイン人が去って、「迷信の山」は静けさを戻した。300年の空白期間の後、メキシコのソノラで牧場を持っていたドン・ミグエル・ペラルタがこの地に。彼は、気紛れでどん欲。彼のもとには数百人もの人が奴隷のように働いていた。
さて、彼には娘、ロシタ・マリアがいた。美人だが苦労知らずのお転婆娘。その彼女に近付いた若い男性、カルロスがいた。
ある夜、ロシタ・マリアが大声で泣きわめき、父親のもとへ走ってきた。なんと彼女は素っ裸。カルロスからこんな目に合った、と泣きちらす姿に、ドン・ミグエルは激怒。牧場の男達は一斉にライフルを持ってカルロスを追う。カルロスは、スーパースティション・マウンテンの中に姿を消した。
インディアンの道案内なしでは、山道を動くことができないと知ったドン・ミグエルは、ウルフ・ノーズという名のインディアンとその手下を雇う。
カルロスを探しに行ったウルフ・ノーズ達は中々戻って来ない。いらいらしているドン・ミグエルの所にある日ようやくウルフ・ノーズが一人で姿を現した。なぜ手ぶらで帰ってきたかと、厳しく問いつめるドン・ミグエルに、ウルフ・ノーズは手の平を開いて、クルミの実ほどの大きさの金の塊を見せた。
金を見たドン・ミグエルは、今までの怒りを忘れて、ウルフ・ノーズに話の詳細を請いた。
彼の話はこうだ。何日もカルロスを探して歩いたある朝、カルロスが馬に乗って近付いてくるのを見た。ウルフ・ノーズ達は早速、銃を掴んでカルロスの前に出た。すると、カルロスは、「撃つな。見てくれ。こんなに金があるんだ。向こうにもっとあるんだ。」と叫んだ。ウルフ・ノーズ達は、カルロスの話を聞いた。カルロスは、この山で金鉱を見つけたと言う。そして、この金をドン・ミグエルの所に持っていって、娘のことを謝罪し、娘と結婚したいと言うのだ。
そこでウルフ・ノーズ達はカルロスの後をついてその金鉱に行く。そこには、金が山のようにあった。早速鞍の袋に金を押し詰めドン・ミグエルの牧場を目指した。
山を下り始めると、川にぶつかった。この川は普段乾燥しているのに、この日は急流の水が流れていた。数日待てば水の流れが穏やかになるのだが、待てないカルロスは、その急流を渡り始めた。インディアン達は仕方なくカルロスの後を追う。ところが、水の流れは思ったより激しく、カルロスはその水に飲まれて馬とともに姿を消した。そして、他のインディアンも同じ運命だった。かろうじて生き残ったのはウルフ・ノーズ一人だった。彼は自分が手にした一つの金塊を握って、牧場に歩いて戻ってきた。
これが話の詳細だった。ドン・ミグエルは彼の息子3人と徹底的に金探しに歩いた。そして、ついに高純度の金鉱を見つけ、その他にも数カ所の小さな金鉱脈を発見することができた。彼は、金鉱に印を付け、後でもわかるようにしておいた。
ガズデン買収でアリゾナがアメリカ合衆国の領域になる直前、ドン・ミグエルはアリゾナがメキシコ領である内にもう一度金鉱に行って金を大量に持ち帰ろうと考える。そして、3人の息子をメキシコの牧場に残し、400人の男達を連れて、この山に到着。ところが、アパッチ族がこのメキシコ人の訪問に激怒。ドン・ミグエルの一隊を襲撃した。アパッチ族はメキシコ人を全員虐殺。ドン・ミグエルの金鉱を徹底的に破壊し、跡形も残らなかった。
この虐殺のニュースは、またたく間にアリゾナ中に知れ渡り、暴力と強欲の男達の話は、スーパースティション・マウンテンの象徴となった。
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