2001年 7月号 特集

避暑に最適、マウント・レモン


ツーソンから車で1時間。しかもツーソンより気温が20Vも低い場所。避暑に最適。そんな所がマウント・レモン。レモンの森がある訳ではない。レモンは人の名前。

今月はこの山を散策してみよう
☆ 行き方
ツーソンから
ツーソン市を北東に走り、Tanque Verde Rd.に入る。標識に従い、カタリナ・ハイウェイを北上し、そのまま上り続ける。

☆ 所要時間
カタリナ・ハイウェイの入り口からサマーヘブンまで約1時間のドライブ。途中で止まらないで往復すると2時間余。
☆ 可能なレジャー
ハイキング、キャンプ、ピクニック、釣、スキー(冬場)など。
☆ ドライブの注意点
道の急カーブに要注意。
ガソリンステーションが皆無。カタリナ・ハイウェイに入る前にガソリンは満タンに。


砂漠から森林へ
 
 標高が上がれば、温度は下がる。温度が下がれば、生体系も変化する。マウント・レモンは、この生体系の変化を一挙に見せてくれる。まるで、メキシコの砂漠からカナダの森林までを一箇所に集めたような山だ。
 マウント・レモンの入り口は、標高2,850フィート。周辺はソノラ砂漠独特のサボテンやパロベルデの木が勢い良く生えている。しばらく走ると、サボテンは姿を消し始め、低木が現われる。更に前進すると、松の木が姿を見せる。その松がどんどん増えてくる。そして頂上付近は、まるで別世界の様な森が私たちを迎えてくれる。そこは標高9000フィート以上の高山だ。

観光客を迎えるサマーヘブン
サマーヘブンとは、夏の天国の意
頂上付近にできたビレッジだ。
買い物や食事ができ、観光客でにぎわっている。

カタリナ・ハイウェイをドライブすると周辺の植物だけでなく、山から見下ろす風景が実に雄大だ。ここは、太古の昔、大噴火によって隆起した花こう岩の山だ。下界のツーソンを見下ろしながらのドライブは、全米でも良く知られた風光明媚なシーンを楽しませてくれる。
 冬は頂上に雪が積もるとスキー場がオープンする。マウント・レモンは、北米の最も南の緯度でスキーが可能な場所としても有名だ。


なんと涼しいスキー・バリー
ドライブの最終点は、スキー・バリーだ。これより先は歩いていく以外にない。冬はスキー場、夏は散策に最適。気温がぐーと下がっているのに気がつく。夏もスキー・リフトが動いていて、高見からマウント・レモンを見下げながら涼風を楽しむこともできる。

名前の由来
1881年、植物額学者であったサラ・レモンがこの山の頂上までたどり着いた。その前年、彼女はやはり植物学者だったジョーン・ギル・レモンと結婚した。新婚の二人はアリゾナの植物の研究旅行を新婚旅行とし、このサンタ・カタリナ山脈に来た。
当時はもちろん道路がある訳ではないので、登山は困難を極めた。南側から何回も頂上にたどり着こうとしたが成功しない。そこである人物に助けを求めた。この人間は、エマーソン・オリバー・ストラットン。当地に住居を構えて鉱脈の発掘をしていた。ストラットンは彼の馬を提供し、マウント・レモンの北側から頂上を目指した。そして、ようやく頂上制覇を遂げた。この旅でレモンは、6種類もの新しい植物を発見する。

カタリナ・ハイウェイの歴史
レモン夫妻が悪戦苦闘した登山は、今ではカタリナ・ハイウェイのお陰でたった1時間の旅が可能となった。
このカタリナ・ハイウェイは、ヒッチコック・ハイウェイとも呼ばれる。建設は1933に始まり、1950年に完成した。それ以前の人々はは、北側のオラクルから長時間をかけて上ってくる以外になかった。
そこで、当時の前郵政長官、フランク・ヒッチコックが提案をする。彼の案は、囚人を使って道路を建設することで、建設費を安価で抑え、しかも機能的な道路を提供することだった。当時のフーバー大統領の賛同を得、早速囚人達が狩り出された。現場には囚人労働者の飯場が作られ、バラック小屋、ランドリー、キッチン、製材所が設置されていた。今でも Prison Campという場所に行くと、この飯場跡を見ることができる。
道路建設は過酷だった。とりわけ、囚人達が使うことができたのは、小さな道具と手押し一輪車だけ。これで、巨大な岩をくだいて山を切り開かなければならなかった。
後に、大型ドリルやダンプカーが与えられたが、建設は誠に長時間を費やした。
たった25マイルの道路だが、1950年の完成まで20年弱を費やしたのだ。そして、建設に関わった囚人は約8000人に及んだ。



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