2004年 5月号 特集

 
アリゾナの水

The Water of Arizona

砂漠のアリゾナ。毎日晴天が続き、年間日照日は300日を越えるこの地。サボテンのように水を体に蓄えて生きることができない私達には、水の確保が死活問題となる。人間が増えれば、水の需要が増える。アリゾナは、はたしてこの需要に応えるだけの水を供給できるのだろうか。

今月はアリゾナの水について考えてみよう。

 

左:ソルト・リバーの上流、セントラル・アリゾナ・プロジェクト





アリゾナの水はどこ

アリゾナの水は基本的に4つの供給源から確保されている。

1. 地上水
2. コロラド川
3. 地下水
4. 再利用水

 
地上水

湖、河川から確保される水のこと。アリゾナの砂漠気候では一定の水量を確保することがむずかしい。ソルト・リバー、バーデ・リバー、ヒラ・リバー、アグアフリア・リバーが主な河川だ。
 
コロラド川

セントラル・アリゾナ・プロジェクト (CAP)

20世紀初頭よりコロラド川の水の利権をめぐって、アリゾナ、カリフォルニア、ネバダ、ニューメキシコ、ワイオミング、コロラド、ユタの7州が交渉。1944年にアリゾナ州はコロラド川の水を州内に引いて使うことが承認される。1946年にセントラル・アリゾナ・プロジェクト協会が設立され、コロラド川からアリゾナ州内への用水路の建設を連邦政府から許可を得べく、ロビー活動。1968年にジョンソン大統領が承認の署名をして、CAPの建設が開始される。レーク・ハバスからツーソン南部までのCAP建設が可能となり、全州の水の確保に大きな貢献をしている。

CAPには2つの水源がある。一つはもちろんコロラド川。もう一つはレーク・プレザント。レーク・プレザントはコロラド川とアグア・フリア川から流れ込む水でできている人口湖。水の需要が低い冬にはレーク・プレザントではただ水を保留し、夏場になって水の需要が上がると、この湖から水を供給する。

 

地下水


アリゾナの4割以上の水は地下から。地下水は地下の帯水層と呼ばれる地層に雨水が入り込んで出来たプールのようなもの。まさに大自然が作った水の貯蔵所だ。百万年以上もの長い間静かに保存されてきた地下水。それを吸い上げる人間。そこで誰かが管理する必要が出てきた。1980年に地下水管理法が生まれ、過剰に地下水を吸い上げることがないよう、州政府が厳しくチェックするようになった。
 

再利用水


近年、州内でより活用されるようになってきた方法。人口増加にともない下水の再利用によって農業用地、ゴルフコース、公園、工業用冷却水などに使われている。

フェニックス

ソルト・リバーと用水路

5世紀ころからフェニックス一帯に定住していたホホカム・インディアンは、この地を流れるソルト・リバーの水を使って生活をした。彼等が石器を使って作り上げた用水路の数々は総計で850マイルにも及ぶほど大規模なものとなっていた。

ホホカム族が去って400年後にフェニックスに来た白人は、その用水路を再利用することで定住を可能としたのだ。しかし、このソルト・リバーは時に氾濫を起こして多大な被害を生む。一定の水量を確保して農業を営むためには、川の上流にダムを築く以外に良案はなかった。1889年にダムの予定地を探して一群の男達が馬に乗って、アリゾナ東部の山を登った。そこで彼等が見つけたダムの最良の地。これが現在のルーズベルト・ダムがある場所だ。1902年に米議会を通過したアメリカ開墾法によって、ソルト・リバー・バリー水利用者協会が創設された。これが現在のソルト・リバー・プロジェクト (SRP)の前身。

その後、ソルト・リバーには数カ所のダムが建設され、バーデ・リバーにもダムが加えられて、水の確保と水力発電による電力の確保を可能とした。

次々と現れる新興住宅街

ツーソン

ツーソンは、長い間サンタクルズ・リバーと地下水が主な水源だった。ここに住んだホホカム族は、サンタクルズ・リバーから農地に水を引いて生活を営んだ。17世紀に活躍した宣教師キノは、サンタクルズ・リバーに十分な水があると書き残している。

ツーソンの人口が増えるに従って、水不足を克服するために地下水を吸い上げる事業が次々と行われた。市の人口増加を食い止めるか、水源をさらに求めるか、という厳しい選択を迫られながら、市側は1970年代に水道料金を急騰。1980年には節水措置を徹底的に推進し、州内で最も節約に成功した町となる。

CAPがツーソンで完成したのは1990年。

 
 
乾燥したアメリカ西部 (色が濃いほど乾燥度が高い)





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