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こうした熱い世間の目をよそに、動物園側には大きな懸案があった。地球上のインドゾウは、その数をめっきり減らし、絶滅の危機にある。タイのジャングルで生まれたルビーは、遺伝学上、非常に貴重な存在なのだ。国際的な動物園協会との連係で、フェニックス動物園は、ルビーを妊娠させ、子供を生ませることに決定。
最初は、人工受精を試みようと、いくつかの動物園と協力してみたが、いずれも失敗。これまでの例から、動物園内のゾウの妊娠は25才までが限度だ。ルビーは当時22才。時間が限られている。
1995年、ルビーは、オクラホマ州のツルサ動物園に送られた。そこには雄のインドゾウ、スニージーが。2年の滞在。1997年妊娠が確認され、同年10月にフェニックスに戻ってきた。ゾウの妊娠期間は、22ヶ月。すでに10ヶ月が過ぎ、フェニックスで残りの12ヶ月をすごすことになった。
フェニックスに戻ってきたルビーの体は、全て順調だった。1998年10月末、ルビーは出産の徴候。ところが、何も起こらないまま数時間がたってしまう。関係者の顔が曇った。
やむなく10月31日に手術。なんと、赤ちゃんはルビーの体の中ですでに死亡していた。流産だった。しかもルビーにも命の危険が,,,。動物園側の必死の努力にもかかわらず、ルビーはこの世を去る。
ルビーの死は、動物園にとって大きな衝撃だった。また、ルビーを知る市民もその死を悼んだ。しかしルビーが遺した絵は今だに微笑んでいる。
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