2000年 3月号 特集

アリゾナの天文台

アリゾナは、アメリカ・インディアンの地。また、かつてはメキシコの一部。この歴史的な流れから地名もなかなかユニークだ。インディアンの言葉を源とするものもあれば、スペイン語の地名もある。また、後から入って来たアングロが英訳して名前を変えたものもある。
今月は地名の謂れを調べてみた


州名「アリゾナ」の由来
アリゾナの語源には諸説がある。まず、プエブロ・インディアンの言葉で、「小さな泉」という意味。「アリ」が小さいの意で「ソナ」が泉または噴水の意。
 また、アステカ・インディアンの言葉で、アリズマがある。これは、銀を持つ者の意。
 英語のArid Zone(乾燥した地帯の意)という説も。
 また、ツーソンの85マイル南西にバネラという場所があり、そこに300年前に住んでいたインディアンの地があった。スカリトと呼ばれているが、インディアンは、ここを「アレゾン」と呼ぶ。それは、「若い精神」の意。
 公式の場に「アリゾナ」の名が出てきたのは、1854年ニューメキシコが連邦議会にアリゾナ準州の設立を依頼した時。当時は、アリゾナ全体がニューメキシコの一部であったが、その時に提案された準州の名前のひとつが「アリゾナ」であった。その後紆余曲折あり、準州の設立はリンカーン大統領によって承認され、1863年にアリゾナ・テリトリー(準州)となる。
 歴史家の中で通説となっているのは、「小さな泉」。ツーソンより更に下った国境のすぐ南にある泉をインディンが「アリゾン」と呼んでいることから「アリゾナ」の名が出てきたというもの。
「アリゾナ」の名が活字で初めて現われたのは、1754年。パドレ・オルテガが書いた「アリゾナの事実」という書だ。


主要都市名の由来
フェニックス:Phoenix
フェニックスは不死鳥のこと。1867年、ジャック・スウィリングという白人がウィッケンバーグから現在のフェニックスの地に入植。そこで彼が見つけたものが用水路。この用水路は、かつての古代インディアンが灌漑用に築いたもの。スウィリングは、砂漠の真ん中に作られた運河を再利用することを考え、事業を始める。正に死んでいた町が不死鳥の如く蘇ったようなので、この地をフェニックスと呼ぶことにした。1870年10月20日にソルトリバー・バレーに住む住人が集まり、町の中心地と名前を決めるべく会合を開く。ダレル・ドュパ、ジョン・モア、マーティン・グリフィンが委員に選ばれ、彼等がフェニックスの名付け親となる。
テンピ:Tempe
フェニックスで用水路を見つけたジャック・スウィリングは、更に他の用水路を探し求め、フェニックスの東、ソルトリバーの南に用水路を見つける。フェニックスの名付け親、ダレル・ドュパがこの地をテンピと名付けることを提唱。テンピは、古代ギリシャの詩に歌われる美しい町の名。当時の人々は、砂漠の中にエキゾチックな美しい町を描き、町作りを始めた。
メサ:Mesa
メサとはスペイン語で「台」のこと。ソルトリバー・バレーの中でここが台形の丘のように浮き上がっているので、メサと名付けられた。メサは1878年にユタ州ソルトレークから来たモルモン教の宣教師達によって作られた。
スコッツデール:Scottsdale
南北戦争を経験した退役軍人で、その後、軍専属の牧師となったウィンフィールド・スコットが1888年にフェニックスの東の地に定住。農業を営み、その周辺に人々が集まり町が始まる。スコットの町ということからスコッツデールと名付けられる。
グレンデール:Glendale
ニューイングランド・ランド・カンパニーという土木開発業者が1892年に町を創設。イリノイ州の教会が会員を何人かこの地に送り、定住。その会員の一人、ヘイツェルがこの地を選びグレンデールと名付ける。
ピオリア:Peoria
1888年8月4日創設。この地の最初の入植者がイリノイ州のピオリアから移住したため、ピオリアと名付けられた。
チャンドラー:Chandler
1912年4月11日創設。A.J. チャンドラーがメサから灌漑用の水を引き、用水路をこの地に建設。創始者の名前からチャンドラーと名付けられる。彼の家は現在のサンマルコス・ホテル。
ギルバート:Gilbert
1912年8月22日創設。この地に鉄道を敷いたロバート・ギルバートの名前から取る。
グッドイヤー:Goodyear
名前はグッドイヤー・タイヤ&ラバー・カンパニーというタイヤの会社から。ことの起こりは、第一次世界大戦が勃発した時から始まる。アメリカは、タイヤに必要な綿花をエジプトやスーダンからの輸入に頼っていた。当時のエジプトやスーダンは英国領。戦争が始まるとイギリスは、綿花の輸出禁止令を発布して綿花を確保しようとする。あわてたアメリカは、国内での綿花の生産を促進。良質な綿の栽培にアリゾナの地が選ばれる。グッドイヤー社は、自動車のタイヤ生産のために綿花を確保すべく、この地に。当時の土地所有者は、A.J. チャンドラー。1916年、グッドイヤー社は、チャンドラー氏からの土地のリース契約を結ぶ。この地に労働者が住めるよう、公園、病院、教会、学校、映画館、道路を次々と建設。これが現在のグッドイヤー市。
リッチフィールド・パーク:Litchfield Park
1916年グッドイヤー社の取締役、ポール・リッチフィールドがこの地で綿花栽培の事業を始める。彼は、労働者のためのキャンプを作った。これがリッチフィールド・パーク市の始まり。その後、グッドイヤー社は、社の役員を宿泊させるために施設を設立。これが現在のウィグワム・リゾート・ホテル。
パラダイス・バレー:Paradise Valley
リオ・ベルデ・カナル・カンパニーという用水路建設会社のマネージャー、フランク・コンキーが名付け親。この地に用水路を建設するために調査に入った社員達は、春に咲く美しい花々と広い空間に魅惑され、天国、つまりパラダイスのようなので、パラダイス・バレーと呼んだ。建設計画は資金不足で実現しなかったが、名前は残った。
バッカイ:Buckeye
始めは、シドニーと呼ばれていたが、初期の入植者の多くがオハイオ出身であることから、オハイオのバッカイから名前を付けた。1888年に郵便局が設立される。
ウィッケンバーグ:Wickenburg
1863年にオーストラリア人のヘンリー・ウィッケンバーグがこの地の近くに鉱山を発見。彼の名が語源。
ペイソン:Payson
1882年に創設。イリノイ州のペイソン上院議員が語源。
グローブ:Globe
1873年にアンダーソン兄弟によって鉱山が発見され、彼等がこの地をグローブ鉱山と命名。グローブとは「球」の意。当時発見された銀が高質で大きなボールのような銀だったので、グローブと呼んだ。
スペリオー:Superior
ミシガン州のスペリオーが語源。
カサ・グランデ:Casa Grande
古代インディアン、パパゴが作った巨大な住居の遺跡がある場所。スペイン語で大きな(グランデ)家(カサ)が語源。初期のスペイン人達がこの遺跡を発見したのは16世紀。用水路が張りめぐり、かなりの人口の町のようだった。この遺跡の近くに郵便局ができたのが、1880年。
ツーソン:Tucson
ピマ・インディアンの「スルクソン」が語源。意味は茶色の泉。ヨーロッパ人が初めてツーソンを目にするのは、1694年。1698年の地図には、すでにツーソンが現われている。1776年にヨーロッパ人の町として確立される。TugsonとかTeusonとか綴る人もいたが、結局Tucsonと落ち着いた。
ユマ:Yuma
ここに住んでいたアメリカ・インディアンが祈雨の儀式に火を使っていた。火を起こして空高く上がる煙を見て、スペイン人が「ウモ(煙の意)と呼んだのがユマの語源とされている。
ビスビー:Bisbee
1877年に鉱山の町として始まる。この鉱山の初期の株主であったデウィット・ビスビー判事の名前が語源。
ノガレス:Nogales
1822年に命名。近くを流れる川の両岸にクルミの木が繁っていたことから「ノガレス(スペイン語でクルミの木の意)」と呼ぶことにした。
ダグラス:Douglas
フェルプス・ドッジ社(銅の採掘業者)の社長、ジェームズ・ダグラスの名前が語源。同社の溶鉱炉をこの地に設置して町が始まる(1900年)。
ツームストーン:Tombstone
「墓石」の意。エド・シーフリンが軍隊を辞めて、鉱山を探し求めるためこの地に。辞める時に、皆がシーフリンに「お前が見つけるのは、墓石だけだ。」と言われた。アパッチ・インディアンから攻められて死ぬだけだという訳だ。ところが、彼は銀を発見する(1878年)。この鉱山をシーフリンは「ツームストーン」と命名。その後、この町はしばらく活気付く。OK牧場の決闘など西部の無法地帯のイメージが定着した。
(カサ・グランデ遺跡。実際はカサ・グランデ市ではなくクーリッジ市にある。)
ウィルコックス:Willcox
アリゾナ駐屯の陸軍大将、オーランド・ウィルコックスの名が語源。
サフォード:Safford
1872年にアメリカ人の最初の入植者がヒラ・ベンドからこの地に。彼、ジョシュア・ベイリーが当時の知事、アンソン・ペースリー・キレン・サフォードに因んでこの地をサフォードと命名。
フローレンス:Florence
1866年に最初の入植。知事サフォードの娘、フローレンスに因んで命名。
ヒラ・ベンド:Gila Bend
北から流れてくるヒラ・リバーの川が、この地点で大きく曲がって西に向かうので、ヒラのベンド(曲がるの意)と名付けられた。

山の名前
キャメルバック・マウンテン:Camelback Mountain
ラクダ(キャメル)がすわっているような格好をしているので、ラクダの背と呼ばれる。
スクウァウ・ピーク:Squaw Peak
スクワァウは、インディアンの女性のことで、軽蔑した表現。最近、この名前をめぐって変更を要求する声が高まっている。
ピナクル・ピーク:Pinnacle Peak
ピナクルとは、高い峰のこと。
マクドウェル・マウンテン:McDowell Mountain
陸軍大将、アービン・マクドウェルの名前が語源。
スーパースティション・マウンテン:Superstition Mountains
スパースティションとは迷信のこと。ピマ・インディアンがこの山を「悪い薬」と呼んで恐れていた。この山の頂上からアパッチ族がピマ族を狙って殺したところから、ピマが恐れたようだ。その後、この山に失われた金鉱があると言い伝えられ、金を求めて多くの人が訪れたが、話としてはただの伝説のようだ。いずれにしても不思議な因縁を呼んで「スーパースティション」とされている。
ピカチョ・マウンテン:Picacho Mountain
ピカチョとはスペイン語でピーク(山の頂)の意。
マウント・レモン:Mount Lemmon
標高9,150フィート(約2,780m)の高い峰で、最初にこの山の登頂に成功した白人女性、レモンの名に因んだ。標高が高いので雪が降り、北米で最南端のスキー場がある。
ホワイト・マウンテン:White Mountains
初期のスペイン人が「シエラ・ブランカ」と呼んだ。意味は白い山。それが英訳されて、ホワイト・マウンテンとなったが、シエラ・ブランカと呼んだ由縁は不明。
プレスコット:Prescott
1864年の市民の会合でプレスコットと命名することが決定される。プレスコットは歴史家の名。
セドナ:Sedona
初期の入植者カール・シネブリーの妻、セドナ・シネブリーが語源。
ジェローム:Jerome
ニューヨークの弁護士で銅の会社を始めたユージン・ジェロームが語源。
フラッグスタッフ:Flagstaff
語源に数説ある。いずれにしても共通しているのは初期に旗(フラッグ)を掲げる柱があったことから名付けられた。
ウィリアムス:Williams
初期の探検家、ガイド、ハンターであったビル・ウィリアムスに因んでビル・ウィリアムス山が近くにあるため、この町をウィリアムスと呼ぶようになった。
キングマン:Kingman
サンタフェ鉄道のエンジニア、ルイス・キングマンが語源。
ウィンスロー:Winslow
セントルイス&サンフランシスコ鉄道の社長、エドワード・ウィンソローが語源。
ホルブロック:Holbrook
アトランティック&パシフィック鉄道の主任技師、H.R. ホルブロックが語源。
ショーロー:Show Low
二人の白人がこの地に入植しようとした所、適当な場所が1ケ所だけあり、どちらがこの場所を取るかをトランプで決めた。トランプを切って配る者が、「低い数のトランプを見せた方が勝つことにしよう」と言う。見せる(ショー)と低い(ロー)がショーローの語源と言われる。





アリゾナにもマイアミが
 フロリダのマイアミは観光地で誰でも知っているが、アリゾナにもマイアミがある。グローブの隣にある小さな町で、グローブと共に銅山として栄えた。マイアミ・ミリング社の株主、ジェームズ・ジェラルドが命名。ハイウェイ 番を走ると、マイアミに鉱山を掘り返した跡が見える。
 
 マイアミの地名には別の説がある。1929年8月30日付けのアリゾナ・リパブリックにその話が記事となっている。
 その記事によると、この地の鉱山を発見したと自称するブラック・ジャック・ニューマンという男がいた。この男にはマイマ・チューン(Mima・Tune)という名の娘がいた。彼は、この鉱山の利権を売って、娘の名前を町の名前にしてくれるよう要請した。その時に彼が書いた娘の名前に問題があった。彼は、読み書きがよくできなかったので、MimaをMiamiと綴ってしまったのだ。このことから、この町をMiami(マイアミ)と称することとなった。
 この記事の真表性は読者の皆様の判断に、、、。
 この他、アリゾナには、世界の大都市と同名の場所がある。
 シドニー、ラ・パズ、カサ・ブランカ。又、山の名前でサンフランシスコ・マウンテン、ジェルサレム・ピーク(エルサレム)などがある。




アメリカの長距離・国際電話サービスのしくみ
「利用条件に応じた長距離・国際電話サービスの選び方」
 日本では電話に加入すれば、そのまま国内でも海外でもかけられますが,アメリカでは自分で長距離・国際電話会社を指定しなければなりません。
 一般的に、アメリカの電話サービスは、市内(ローカル)、中距離(トールコール)、長距離(ロングディスタンス:それ以上の遠距離で海外を含む) と距離により3つに分けられます。市内電話サービスはローカル電話会社によって、長距離は長距離・国際電話会社によって、中距離はローカル電話会社と長距離電話会社による競争というのが基本のようです。たくさんある電話会社の中から、自分の利用条件に合った中距離、長距離・国際電話サービスを選ぶことができます。また、最近では市内電話サービス市場にも競争が導入されて、ローカル電話会社を選択できる地域もあります。
 それでは、日本に電話するために、長距離・国際電話会社を選ぶチェック・ポイントをリストしてみましょう。
1 日本までの1分間の通話レート…格安レートがキャンペーン期間中にしか適用されない場合が多くありますので,レートは期間限定なのか、値下げなどがあった場合には自分のレートにも自動的に適用されるのか確認しましょう。
2 月額基本料…1分間の通話レートが格安なプランには、月々の基本料があるケースがほとんどです。毎月の利用頻度を考えて基本料を払っても価値があるか計算してみるとよいでしょう。
3 課金制度…料金の加算が、1分間毎か,KDDアメリカの一番TALKのように、最初の30秒を超えると6秒毎か、それとも5分・10分間と長く通話すると割引が大きいか,などそれぞれのプランによって異なります。1回の通話が長い方には長時間通話の割引はうれしいですね。また,短時間ちょくちょくかける方、留守番電話に伝言を残すことが多かったり、ファクスをよく使う場合は、小刻みな課金方式が有利でしょう。
4 回線の品質…時間帯によっては何度ダイアルしてもつながらない,雑音が聞こえる、通話中自分の声がエコーして聞こえるなど、通話レートが非常に安くても、こういった回線品質ではいただけません。ご注意を。
カスタマーサービス…できれば日本語のカスタマーサービスがある長距離・国際電話サービスを選ぶと,何かあったときに言葉の壁に苦しむことがありません。新規の申込み・問合せは日本語のサポートがあるのに、契約後のトラブルや請求書などの問合せは英語だけという長距離電話会社もありますので、申込む前にチェックしておくとよいでしょう

協力 KDDアメリカ

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